西村 幸子

担当科目 観光論

研究テーマ:訪日外国人観光客に対する住民の態度

2018年の訪日外国人旅行者は3119万人(前年比250万人増)と過去最高を更新し、東日本大震災の翌年である2012年から7年連続で増加して、年間旅行者数はその間に5倍にもなりました。さらなる外国人旅行者の来訪による日本経済の活性化への期待は大きく、日本政府は2016年に策定した「明日の日本を支える観光ビジョン」において、訪日外国人旅行者数を2020年には4000万人、2030年には6000万人へと増加させるという目標を掲げています。その一方で、外国人観光客が好んで訪れる観光地では様々な変化が目立つようになりました。駅やバス・電車内の混雑、飲食店や小売施設での行列、ゴミの増加といったような、物理的に観光地が許容できる水準以上に観光客が集中して来訪することによって生じる状況に対して「オーバーツーリズム」という表現が使われるなど、観光地に居住する住民の生活への影響がすでに顕在化しているという認識が急速に広まっています。
その対策として、観光客が特定の地域や時間に集中しないようにするために地理的・時間的な分散を誘導することや、外国人観光客に対して日本で許容されるマナーについての啓蒙を行うのは当然のことですが、日本が今後も毎年数百万人単位での訪日外国人観光客の増加を目指すのであれば、外国人観光客が来訪する地域に居住している住民の観光客に対する態度に着目する必要があると私は考えています。ある人の生活圏に来訪する観光客が以前よりも増加した場合に、結局のところ、その人が「にぎやかになった」とポジティヴに受け止めれば問題視されず、逆に「うるさくなった」とネガティヴに受け止めるのであれば問題視されることになるからです。
私は、この観光地住民の観光客に対する態度について、住民自身の海外旅行経験との関連を調査データによって明らかにしようとしています。