西村 幸子

担当科目 観光論、旅行産業論

研究テーマ:訪日外国人観光客に対する住民の態度

 2020年初頭からの世界的な新型コロナウィルス感染症の流行により、国際観光需要はほぼ消滅しました。しかしそれ以前には、日本を訪れる外国人旅行者数は2019年には3,188万人と過去最高を更新し、東日本大震災の翌年である2012年から8年で約5倍と爆発的な増加を記録していました。外国人旅行者の来訪による日本経済の活性化への期待は大きく、日本政府は訪日外国人旅行者数を2030年には6000万人へと増加させるという目標を掲げ続けています。その一方で、外国人観光客が好んで訪れる観光地では様々な変化が目立つようになり、駅やバス・電車内の混雑、飲食店や小売施設での行列、ゴミの増加といったような物理的に観光地が許容できる水準以上に観光客が集中して来訪することによって生じる状況に対して「オーバーツーリズム」という表現が使われるなど、観光地に居住する住民の生活への影響が顕在化しているという認識が急速に広まりました。今後、世界的に状況が落ち着きを見せるようになれば、それまで抑制されていた国際観光需要が急激に回復し、再び観光地において同じような状況が見られるようになる可能性は大いにあります。
その対策として、観光客が特定の地域や時間に集中しないようにするために地理的・時間的な分散を誘導することや、外国人観光客に対して日本で許容されるマナーについての啓蒙を行うのは当然のことですが、日本が今後も毎年数百万人単位での訪日外国人観光客の増加を目指していくのであれば、外国人観光客が来訪する地域に居住している住民の観光客に対する態度に着目する必要があると私は考えています。ある人の生活圏に来訪する観光客が以前よりも増加した場合に、結局のところ、その人が「にぎやかになった」とポジティヴに受け止めれば問題視されず、逆に「うるさくなった」とネガティヴに受け止めるのであれば問題視されることになるからです。
私は、この観光地住民の観光客に対する態度について、住民自身の海外旅行経験との関連を調査データによって明らかにしようとしています。