冨田 健司

担当科目 基本統計学、経営学、経営統計論

研究テーマ:企業戦略

 経営戦略,マーケティング戦略が専門分野で,さまざまな企業の戦略について研究しています。
たとえば,アパレル業界を考えてみると,ユニクロやH&Mなどたくさんの企業を思い浮かべることができます。ユニクロとH&Mが同じ業界にいながら,共に成功しているのはなぜでしょうか。それはビジネスモデルが異なるからです。
従来からある,いわゆるDCブランドと呼ばれるアパレルメーカーでは「デザイン(商品開発)」に力が注がれています。たとえばラコステはデザイナーが十年ほど前に変わり,ブランド全体のイメージが随分変わりました。こうしたメーカーでは他の人が着ていないデザイン性に富んだ洋服を,数多くの種類作り,また少しずつ生産しています。そのため,Mサイズの洋服がすぐに売り切れてしまうことも多々あります。このビジネスは「多品種少量生産」が特徴です。
次に,ユニクロは低価格で販売するために,低コストでの「生産」に力を注いでいます。そして,代表商品のフリースに見られるように,同一の商品でありながら,カラーバリエーションを豊富にすることにより,店舗では色鮮やかにとてもたくさんのフリースが売られています。そこでは,1人の消費者が何枚ものフリースを買っています。つまり,ユニクロのビジネスは「少品種大量生産」と言えます。
一方,H&Mでは開発した新商品を素早く全世界の消費者に届けられるよう,飛行機を使って輸送しています。従来,商品を海外に運ぶにはコストの面から,海上輸送が行われてきましたが,H&MやZARAでは空輸が行われております。つまり,ビジネスの着眼点は「流通(輸送)」です。そして,たくさんのデザインの新商品を,世界の市場に向け大量に生産しています。そのため,消費者は世界各地でH&MやZARAの新商品を買うことができます。このビジネスは「多品種大量生産」と言えます。
このように,それぞれの企業は異なるビジネスモデルを採用しているため,同じ業界にいながら,ともに利益を得ることが可能となります。商品開発→生産→流通→販売という流れをバリュー・チェーンと呼びますが,時代の流れに伴い,アパレル業界では商品開発,生産,流通と異なる段階に目が向けられてきました。この流れから考えると次の競争の次元は「販売」にあるのかもしれません。
さらに別の業界に目を向けてみると,スターバックスとドトールもビジネスモデルが異なるために,共存が可能です。また,ガリバーとバイク王は異なる業界に属していますが,同様のビジネスモデルで共に成功しています。こうしたさまざまな企業のケースを取り上げ,具体的なビジネスの仕組みについて研究しています。