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冨田 健司

担当科目
 経営学、経営統計論

研究テーマ:企業戦略

 経営戦略,マーケティング戦略が専門分野で,さまざまな企業の戦略について研究しています。
 たとえば,アパレル業界を考えてみると,ユニクロやH&Mなどたくさんの企業を思い浮かべることができます。ユニクロとH&Mが同じ業界にいながら,共に成功しているのはなぜでしょうか。それはビジネスモデルが異なるからです。
 従来からある,いわゆるデザイナーズブランドと呼ばれるアパレルメーカーでは「デザイン(商品開発)」に力が注がれています。たとえばラコステはデザイナーが20年ほど前に変わり,ブランド全体のイメージが随分変わりました。こうしたメーカーでは他の人が着ていないデザイン性に富んだ洋服を,数多くの種類作り,また少しずつ生産しています。そのため,Mサイズの洋服がすぐに売り切れてしまうことも多々あります。このビジネスは「多品種少量生産」が特徴です。
 次に,ユニクロは低価格で販売するために,低コストでの「生産」に力を注いでいます。そして,代表商品のフリースに見られるように,同一の商品でありながら,カラーバリエーションを豊富にすることにより,店舗では色鮮やかにとてもたくさんのフリースが売られています。そこでは,1人の消費者が何枚ものフリースを買っています。つまり,ユニクロのビジネスは「少品種大量生産」と言えます。
 一方,H&Mでは開発した新商品を素早く全世界の消費者に届けられるよう,飛行機を使って輸送しています。従来,商品を海外に運ぶにはコストの面から,海上輸送が行われてきましたが,H&MやZARAでは空輸が行われております。つまり,ビジネスの着眼点は「流通(輸送)」です。そして,たくさんのデザインの新商品を,世界の市場に向け大量に生産しています。そのため,消費者は世界各地でH&MやZARAの新商品を買うことができます。このビジネスは「多品種大量生産」と言えます。
 このように,それぞれの企業は異なるビジネスモデルを採用しているため,同じ業界にいながら,ともに利益を得ることが可能となります。商品開発→生産→流通→販売という流れをバリュー・チェーンと呼びますが,時代の流れに伴い,アパレル業界では商品開発,生産,流通と異なる段階に目が向けられてきました。この流れから考えると次の競争の次元は「販売」です。中国発祥のSHEINなどはネット通販により、消費者は店舗に行くことなく、夜中でも、スマホを見ながらゆっくり商品を選ぶことができるようになりました。
 さらに別の業界に目を向けてみると,スターバックスとドトールもビジネスモデルが異なるために,共存が可能です。また,ガリバーとバイク王は異なる業界に属していますが,同様のビジネスモデルで共に成功しています。こうしたさまざまな企業のケースを取り上げ,具体的なビジネスの仕組みについて研究しています。

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