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佐々木 一郎

担当科目
 保険論、年金論

研究テーマ:リスクと保険~年金問題を題材に~

 私の研究テーマは、年金問題を題材に、リスク処理手段として保険が有効活用されるための条件を明らかにすることです。 現代社会はリスク社会ともいわれるように、企業や家計のまわりには多くのリスクが存在します。企業や家計がスムーズに経済活動を行うためには、リスクを効率よく処理することが求められます。保険は、小額の保険料負担で大きな保障を得ることができるので、リスクマネジメント手法として不可欠のものとなりつつあります。
しかし、現実の経済・社会に目を向けると、保険を有効活用していないケース事例がいくつか存在しています。実は、現在国民的関心の高い年金未納問題も、そのひとつです。昨今のわが国では、老後の経済的リスクへの不安が高まってきているにもかかわらず、国民年金は老後リスクを処理する保険としては十分に機能していないのが実情なのです。
では、なぜ多くの若者は年金未納者になるのでしょうか。その理由として、従来の研究では、主に年金システムの問題点を指摘してきましたが、私は、年金に加入する若者のサイドにも何らかの原因や事情があるのではないかと考えています。そこで、大学生やフリーターなどを対象にしたアンケート調査を独自に実施し、未知の年金未納理由が何かを明らかにするための調査・分析をしています。
未知の年金未納理由の候補として私が今とくに注目しているのは、若者の近視眼的なものの考え方です。現実的にみて、20代の若者が40~50年先の老後のことを合理的に設計することは簡単ではありません。この先どうなるか分からない老後のためによりも、今お金を使いたいという気持ちのほうが優先した結果として、若者が年金未納者になることも十分に考えられます。 年金問題に焦点をあて、保険の有効活用を阻害する要因に接近していくことで、リスク処理手段として保険が有効活用されるための条件を明らかにしていきたいと思います。

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