髙橋 広行

担当科目 消費者行動論、マーケティング・リサーチ

研究テーマ:消費者行動論にもとづくマーケティング、ブランディング研究

 消費者が、市場にある多くのブランドを「どのように認知し、理解しているのか」「どのような接点を作ることがブランディングにおいて最適なのか」「どのような訴求が魅力的なのか」などの点を把握し、それを企業のマーケティングやブランディング戦略につなぐことを目的に研究しています。
 最近は、①デジタル時代の消費者行動全般に興味があります。特に、スマート・フォンの活用やQR決済やサブスクリプションなどが消費者行動に及ぼす影響です。また、②消費者視点の小売イノベーションにも興味があります。
 ①デジタル時代において、多くの消費者はスマート・フォンに代表されるデジタル・デバイスを通じて、企業やブランドに関する多くの情報を獲得しています。こういった状況においてブランドは、単に選んでもらえる(モノ)としての存在にとどまらず、消費者からの共感を得られるような、接点構築や買い物体験が、消費の対象として選び続けてもらうことが条件になってきていると考えます。さらにレンタルやシェアでモノが代替できる時代にあり、「買わなくても良い時代」に買ってもらう必要性が問われています。これらの消費者行動に影響するのがスマート・フォンです。このモバイル端末の活用方法やデザイン性などが、情報探索や小売企業での購買行動に与える影響を調べたいと思っています。もうひとつは、このモバイル・フォンを併用した買い物体験、いわゆる「カスタマージャーニー」(購買のきっかけから検討・選択に至るまでの過程)を理解し、それぞれの「タッチ・ポイント」(顧客接点)において、どのようなコンテンツや情報を提供するべきなのか、決済方法の変化はどのような影響を与えるのか、などの点を検討していきたいと思っています。企業のデジタル・マーケティング担当者の方々、ブランド担当者へのインタビューや消費者調査を通じて、最適なブランディング、マーケティングについて検討していきたいと考えています。
 ②小売イノベーションとは、この数年間に行ってきた小売のブランド研究や業態研究をまとめ上げ、『消費者視点の小売イノベーション-オムニ・チャネル時代の食品スーパー』(単著)として、2018年11月に有斐閣から上梓(刊行)しました。小売のブランディング、業態を通じた小売イノベーション、オムニ・チャネル時代のアプリ対応について検討したものです。オムニ・チャネルやアプリの視点は、上記の①と絡めて現在も研究を進めています。
 共同研究では「ブランドの本物感(本物らしさ:ほんまもん)」がどのように形成されるのか、その背景にある「こだわり」という概念の存在感など、これらの構成要素や尺度開発について検証を重ねています。
 上記以外にも、同志社大学の位置する「京都市」とも様々な実務的な取り組みを行っています。京都市内で店舗を持ちたい方を支援する「みせづくりカレッジ」、京都の伝統産業の持つ良さや価値を維持しながら、それを現代の消費者にどのように合わせていくべきなのか(また、変えずに残すべきか)を考えながら、新市場創造を考える企画などです。京都を中心とする企業や職人の方々との交流を深めながら、少しずつ進めています。
 このように、「消費者の視点で対象を理解し、それを企業のマーケティング、ブランディング戦略につなげる」という点を貫き、実務の現場に役立つ研究を日々続けています。