崔　容熏

　私は主に企業のマーケティング・チャネル戦略を研究しています。製品やサービスを供給する企業が、自社製品やサービスを効率的かつ効果的に最終顧客に届けるためには、マーケティング・チャネルの構築と管理が不可欠です。例えば、流通機能を自ら遂行するのか、それとも、外部業者に委託するのかというのは重要な問題です。また、外部業者に委託する場合に、どのような仕組みや制度設計を用意すれば、外部業者からの協力を最大限に引き出せるかという問題も、企業のマーケティング成果を左右する可能性があります。このように、製品やサービスの流通に関わる企業間関係のあり方や、その管理の仕方が、企業の戦略的成果あるいは財務成果に如何なる影響を与えるのかを、実証的に分析するのが私の主たる研究領域です。
　また、B2Bマーケティングの研究にも取り組んでいます。一般の消費者向けではなく、産業用使用者向けの製品やサービスを提供する企業のマーケティング行動が主な分析対象になります。B2B製品の場合は、買い手も一個人ではなく組織になりますので、購買行動のプロセスや意思決定に影響を与える要素も、消費財のそれとはかなり異質的です。その中でも、B2B分野におけるブランド管理の問題や、買い手組織から得られる情報や知識を売り手企業がどのように活用するのか、などの問題に興味を持って研究を進めています。近年は特に研究成果の国際的発信を心がけています。