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関 智宏

担当科目
 現代企業論、中小企業論、企業ネットワーク論

研究テーマ:日本の中小企業・中小企業家のアントレプレナーシップ的発展プロセス

 日本における中小企業は、日本の全企業数のなかで99.7%を占めています。この比率は、戦後からほとんど変わっていません。雇用についても、従業員数のおおよそ60~70%が中小企業に従事しています。これらのように、日本の中小企業は、日本の経済社会にとって重要な存在であると認識されています。これは全世界での共通認識でもあります。
 しかしながら、中小企業は重要であるという世界共通の認識があるものの、残念ながら、中小企業の実態を国民が十分に理解しているわけではありません。一般的には、中小企業の事業内容はおろか、企業名すら知られていないことがあります。さらにより問題であるのは、中小企業は、大企業と比べて「悪い」と思われていることです。私は、中小企業という言葉によって引き起こされる、規模が小さいことによる問題的側面をただ強調するという一面的理解は正しくないと考えています。中小企業のなかには、魅力ある事業を営み、そして自社の企業組織をより発展させようとしている、あるいは実現している企業が間違いなく存在しています。ここでいう発展は、たんに規模を拡大させていくという量的拡大でなく、経営の質的向上を意味しています。
中小企業といってもさまざまな事業内容やその性格が異なるように、その内実は、きわめて多様ですが、私は、企業組織をより発展させていこうとする中小企業ないし中小企業家にとくに着目しています。中小企業の発展を解明するための研究アプローチの1つがアントレプレナーシップです。アントレプレナーシップにもさまざまな研究アプローチがありますが、ここでは企業家活動プロセスを意味しています。私は、アントレプレナーシップの研究領域から、いかなる経営環境下であっても、企業組織をより発展させようとする日本全国(ないし海外で活躍する日本人)の中小企業家をできる限り多く発掘し、そして直接的に密に関わり合うことで、その中小企業家と、企業家によって牽引される中小企業の発展プロセスを広く社会に発信していくといった、日本の中小企業ないし中小企業家の発展に貢献しうる研究を行っています。このような研究活動によって、中小企業や中小企業家の本来的な経済社会における存在意義やその価値が明らかになるとともに、国民に対して正しい理解を与えることができると確信しています。中小企業が日本、さらには世界において真に主役である社会の創造の実現を目指しています。

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