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五百旗頭 真吾

担当科目
 基本統計学、証券論、貨幣論、証券ビジネス

研究テーマ:金融・証券市場のグローバルな統合深化の功罪

 日本国内には,銀行預金や株式など金融資産を持っている人と,住宅ローンや自動車ローンなど負債を抱えている人がいます。これらは金融取引を通じて生まれたものです。同様に外国との間でもさまざまな金融取引が行われており,現在日本人は外国人に多額の資金を貸し付け,日本人全体として外国に巨額の金融資産を保有しています。
 借金は返してもらわないと貸す側は困ります。そのため,一般に返済能力の低い個人・企業ほど銀行から融資を受けるのは難くなります。一国全体として外国からお金を借りるときも同様です。外国から多額の借金をしている国の返済能力に疑問が生じると,その国に対する融資は引き上げられ,通貨危機や金融危機が生じます。1997~98年のアジア通貨危機,2007~08年の「サブプライム危機」後のドル安・世界金融危機は,その例です。2010年から2015年にかけて欧州の単一通貨ユーロを揺るがしたギリシャ危機も,対外借入に対するギリシャ政府の返済能力に疑問が生じたことから始まりました。
 国際金融取引拡大に伴うこのようなリスクをいかに見極め、いかに対処すべきか。これが私の研究テーマです。最近はとくに,国際資本移動の拡大要因やその変容について,グローバルに事業展開している大規模銀行の行動や、世界的なデフレ傾向(経済成長率の停滞)との関係性を探りつつ研究しています。コロナ禍とウクライナ戦争によるインフレを受けて進行する日本政府の借金累増が、国際金融取引を介して国債市場の混乱を引き起こすリスクについても注視しています。

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