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日野 真紀子

担当科目
 西洋商業史

研究テーマ:イタリアにおける繊維・ファッション産業史研究

 我々は生まれてからずっと衣服を身に着けています。なぜ衣服を身に着けるのか、日々お洒落をしたいと思うのかなどあまり自分自身に問いかけることはないと思いますが、繊維・ファッション産業は我々の生活の根幹をなしており将来的になくなることがないであろうと予測される重要な産業です。
 現在関心を持って研究しているのは、今日のイタリアン・ファッションの中心が形成されるまでのイタリアの繊維工業界の取り組みやファッション産業の形成を、当時を生きた人々の価値観や消費のパターンを通して観察しながら、歴史的に解明することです。第一次・第二次世界大戦の間の時期に、イタリアではファシスト政権が樹立されますが、この国には当時外貨を稼ぐ手段として農産物と生糸しかありませんでした(日本も同様でした)。当時世界は金本位制という制度をとっていて、国は保有する金に応じて通貨を発行するため、自国に足りないものを輸入するには同額の品を輸出しなければなりません。そこで政府や業界が考え出したのが、イタリア発のファッションを創り出して、自国で生産する生糸やレーヨンを使った商品の付加価値を高めて輸出するという戦略でした。政府機関がファッションに関連する技術などを一手に管理する政策はイタリアの独創的な点と考えられます。このような取り組みの最中に第二次大戦が始まりますが、戦後のファッション・ブームの前に、実は以上のような業界の動きがありました。戦後になりイタリアの産地を支える中小企業が中心となって現在我々が認識するようなお洒落なイメージができあがり、世界中の人々の顕示欲を満たす商品の消費に繋がっています。
 過去、現在、未来、どの国においても現状を見極め、どの産業に力を入れて、どのように企業をバックアップしていくのか、という問題はついてまわります。そこには企業活動に国がどこまで口出しするのかということも含まれ、国全体の主要産業企業がほぼ国有化された歴史を持つイタリア経済を繊維・ファッションという視点から観察することで、経済や企業そして社会のあり方を考えていきたいと思います。 

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