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銀 迪

担当科目
 アカデミック・リテラシーⅠ、ビジネス・トピックス

研究テーマ:中国鉄鋼業における産業構造(企業間関係)の変容および産業政策の役割

 鉄鋼はかつて日本において「産業のコメ」と呼ばれましてが,中国では 21 世紀に入っても工業発展を支える基盤だと認識されております。中国経済の成長とともに,中国鉄鋼業は急速な成長を果たし,中国のインフラ整備,および機械工業,家電製造と自動車産業などの生産拡大を支えてきました。中国の工業発展を描く上で,鉄鋼業に対する研究は大事です。
 また,中国の鉄鋼業は従来,伝統的な重工業産業と見なされ,実質的に国有大企業が優遇される産業政策が多く行われてきました。しかし,この産業では国有大企業への一方的な集中は見られませんでした。民営企業も中国の鉄鋼生産のおよそ半分を担ってきました。近年,国有大企業の精鋭化と民営企業の巨大化が並行して進んでいます。国有大企業と民営大企業がともに成長してきたことは中国経済の研究にとっても興味深い現象です。
 さらに,カーボンニュートラルを実現するために,鉄鋼業がどのように貢献するかも重要な課題となります。
 私は中国の鉄鋼業における企業間の競合関係の変化と産業政策の役割を研究してきました。産業の内部構造に関する多くの研究は市場分析に基づいて行われてきましたが,私の研究では企業内部の技術構造,すなわち技術論に基づいて企業間の競合関係を理解しようとしています。また,産業政策の分析は,産業発展の実情と関連づけて行われています。中国の鉄鋼業のあり方や独特な事情を明らかにするとともに,産業内部構造の研究理論や産業政策論などの理論にも貢献するよう努めています。

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