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太田原 準

担当科目 技術経営論、工業経営論、Business English

研究テーマ:現代の組織が直面する課題の発見、および解決に向けての理論的・実践的考察

私が学生時代に受講した経営学関連の講義では、よく儲かっていることを前提としたうえで、それがどのような仕組み(システム)で成り立っているかといった話か、それがいかに従業員を搾取した結果なのかといった話のどちらかであった。今はどうであろうか。日本企業には元気がない、利益が出ていないという話が多く、それはなぜなのかという説明に多くの時間をつかう講義が多いように思われる。
内閣府のデータによると、2005年の日本全体の平均生産性は0ECD諸国の平均を下回り、アメリカを100とすると70という水準でしかないという。これでは確かに、私の学生時代に喧伝された、ジャパン・アズ・ナンバーワンであるとか、グローバル・ジャパナイゼーションという状況とは程遠い。でも、もう少し突っ込んで調べてみると、今も昔も、世界でガンガンやれている日本企業は、法人数を分母に取ればわずか1%くらいで、大部分の企業は、国内依存、内需依存でやっている。
これからの日本人がどれだけ現在の生活水準を維持・向上させられるか、未来に希望をもてるかといった問題にとって本当に問題なのは、トップ企業の動向よりも日本に色々ある組織全体の平均生産性の方ではないかと、最近考える。そういう私も、ずっとホンダという会社を中心に研究対象としてきたのだけれど、ホンダのような企業は、これからますます、日本という国に依存しなくなるだろうと思う。車の買い手はもちろん、原料の調達や従業員採用といった点でも、日本への依存率をどんどん下げていき、本当の意味でのグローバル企業へと急速に変わっていくだろう。ホンダの成長が、日本の経済成長であり、生産性向上の象徴であった時代は、もう終わった。
私の今後の長期的な問題関心は、産業間で観察できる生産性の分布の偏りをもたらす要因について、経営学の理論を用いて考察していくことである。日本にはさまざまな産業があるが、産業間あるいは産業内の企業間で生産性の格差が著しい。トップ企業を有する産業は、生産性の分布が高いほうに偏っている場合が多いけれどもこれは少数で、全体として生産性の分布が低い方に偏っている産業の方がずっと多い。だから平均生産性が押し下げられる。今後、日本全体の生産性を上げていくには、企業ごと、産業ごとに生産性をあげていく努力が必要である。スター企業がポンと出て、全体を引っ張り上げる場合もあれば、業界企業が全体として束になって上がってくる場合もある。いずれにしても、経営学の特徴である「組織」あるいは「組織能力」といった観点から、日本企業が直面している課題を正確に認識し、その解決に向かって、理論的実践的に考察を進めていきたいと、そう考えている。

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