陳 燕双

担当科目 アカデミック・リテラシーⅠ、ビジネス・トピックス

研究テーマ:現場組織の能力(capability)と組織文化(culture)、組織風土(climate)

 私の研究テーマは、現場組織の能力(capability)を最大限に発揮させる方法を探究することです。企業組織は,顧客に対し付加価値を提供するために,多様な機能を果たす職能部門を設置します。与えられた個々の機能活動(業務)を直接遂行する,職能部門ごとの最下位の組織は「現場」と呼ばれます。英語では、frontlineが「現場」にあたります。例えば,製造業の場合,製品の価値を創造し,顧客に届けるという目的を達成するために,部品調達,生産,物流,販売,アフターサービスといったバリューチェーンにおける職能と,製品企画・開発,設計・試作,工程・設備開発,量産準備というエンジニアリングチェーンにおける職能がありますが、製品を開発する活動(業務)を直接遂行するところは開発現場といい、その製品を生産するという活動(業務)を直接遂行するところは生産現場と言います。対人サービス産業であれば、顧客に接しながらビジネスを行うところはサービスの現場というわけです。現場は企業戦略の実行、時には、戦略の形成にも影響を与える重要な組織です。
私の最近の研究関心は企業文化にあります。企業の競争優位の源泉とされる企業の組織能力を左右する枢要な要因の一つに、企業の理念・価値観、仕事の考え方、思考・行動様式などを包含する企業文化があります。ここでいう企業文化は、「こうあるべき」という上位に設定される文化ではなく、現場従業員の業務遂行に関わる価値体系(オペレーショナル・レベルの文化)のことです。オペレーショナル・レベルの文化は、企業目的の達成にむけて、異なる能力やアイデンティティを持つ多様な現場従業員が、個々の違いを活かしつつ協働するための羅針盤として、また上司の判断を一々仰がずに、現場のスピーディーな意思決定と柔軟な行動を活発にするための行動指針としての、自律分散的な機能を持っている可能性があると考えます。
現場に実践される文化はどのような性質をもつのか。具体的にどのような組織プロセスおよびマネジメントの仕組みを通して、どのように現場従業員に解釈・受容・共有され、生きた理念・文化として企業の価値創造に貢献するのか。またはどのような場合、現場従業員に拒絶・淘汰されるのか。オペレーショナル・レベルの文化を明らかにするために研究を進めています。