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猿田 冬樹
- 担当科目
- アカデミック・リテラシー、ビジネス・トピックス
研究テーマ:垂直的関連市場の理論分析
私たちの身の回りのほとんどの市場において、財やサービスは複数の企業の取引を通じて消費者に提供されています。例えば、自動車を製造・販売する場合、原材料の生産、部品の製造、組み立て、完成した自動車を輸送し、消費者に販売するというように、多くの企業が関わっています。このような市場は垂直的関連市場と呼ばれます。
私はその中でも特に、GoogleやAmazonといった、オンライン上でユーザー間の取引を仲介し対価を得るデジタルプラットフォームに注目した研究を行っています。昨今、デジタルプラットフォームはその規模や市場における支配力を急拡大させており、それらの多くは、顧客データを収集・蓄積することで、個々の利用者にターゲットを絞った価格の提案や広告の表示、サービスのカスタマイズなどを行っています。そのような行為は、サービスの改善に繋がる可能性のある一方で、既存プラットフォームの競争上の地位を盤石にし、新規参入のハードルを上げたり、データの流出により消費者のプライバシーを損なわせたりする懸念があります。産業組織論の数理モデルを用いて、デジタルプラットフォームやそれを取り巻く企業、消費者の行動を明らかにし、競争政策や消費者保護政策に関する議論に貢献することを目指しています。
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