以下、本文になります
櫻井 貴憲
- 担当科目
- 簿記学I、簿記学II、情報会計論
研究テーマ:財務会計情報と投資戦略
財務会計には、大きく2つの役割があると考えられています。1つは、財務会計によって提供される会計情報が、利害関係者間の不信や懸念を解消したり、利害関係を調整したりすることによって、利害関係者間の協力関係を促進させるという役割です。たとえば、銀行から融資を受けたいと考えている経営者は、財務諸表に記載された会計情報を用いて元本や利息の支払能力が十分にあるということを銀行に説明し、銀行側の懸念を解消させることによって資金的な協力を得ようとします。企業は各種の利害関係者の協力のもとで成り立っているので、財務会計が果たすこの役割はとても重要であり、一般に、利害調整機能とよばれています。2つ目は、主に株式市場に対して会計情報を提供することによって、経営者と投資家の間にある情報の非対称性を緩和し、適切な株価形成を促すという役割です。会計情報の提供は情報劣位にある投資家を保護することになるだけでなく、市場メカニズムを通じて効率的な資金配分を促すことになります。これも財務会計が果たすべき重要な役割です。この役割は情報提供機能とよばれています。
私は主に後者の情報提供機能に着目し、財務会計情報が証券市場における価格形成とどのような関連性を持っているのかについて、また財務会計情報を利用して株式市場で実現リターンを獲得するための投資戦略について、実証的に調査することを研究課題にしています。
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