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山内 雄気

担当科目 経営史、外国書講読(英)

研究テーマ:ファッションビジネスの経営史

経営史は、時代固有の経営問題を理解したうえで、その歴史的意義を探る学問です。単にある企業が成功した失敗したといった歴史的事実を覚える学問ではありません。問題に直面した企業の対応およびその対応の結果を理解し、その背後にある論理を解き明かすことが目的なのです。さらに、その企業の選択の結果が社会や経済に与えた影響も理解しようとします。思い切って言うと、経営学の問題意識に基づいて歴史事実を解釈することによって、人類の発展に対する企業活動の果たした役割を明らかにしようとしているのです。
こうした問題意識に基づき、私は1920年代の日本のファッションビジネスを研究しています。具体的には、銘仙という絹織物の流行を創出しようと苦闘した商人を中心に、百貨店や生産者、職業図案家などにも注目しつつ、日本の近代的なファッションビジネスの誕生の瞬間を描き出そうとしています。日々、商人の発行していた冊子をめくったり、新聞の広告を数えたり、図案を眺めたり、生産地域を巡ったりしています。
私がこの研究を進める理由は、ファッションビジネスが好きだからということもありますが、それ以上に、この研究にロマンを感じるからです。19世紀中葉に日本の商人によって世界へ紹介されはじめた日本の装飾品や美術品は、19世紀末のフランスで起こった新たな芸術様式として知られるアールヌーヴォーに強い影響を与えました。20世紀に入ると、逆に日本の工芸や美術が、アールヌーヴォーの影響を受けはじめます。
その影響はファッションビジネスの世界にも伝播します。とりわけ、その影響を強く受けたのが銘仙でした。
銘仙の斬新なデザインは、その当時拡大しつつあった大衆消費を牽引しました。日本の開国がヨーロッパの新たな美術運動に影響し、その新たな考え方が20世紀初頭の日本に再起し、大衆消費を牽引する流行商品を生み出す。私は、この半世紀にわたるダイナミックな国際的な変化を描き出したいと考えているのです。

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