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稲見 亨

担当科目
 国際会計論、財務会計論

研究テーマ:会計基準の国際的統合に関する研究

 簿記・会計には長い歴史と伝統があります。とくに複式簿記の確立は,いまから五百年以上も前,イタリア商人の実務慣行にまでさかのぼることができます。その後,世界各国に広がり,近代的な簿記・会計の知識が欧米から日本に移入されたのは明治の頃です。
このように,会計には世界各国で用いられているスタンダード(標準)としての側面があります。ただしその共通性の一方で,各国で独自の文化が形成されているように,会計のルールには,各国特有の経済・社会的背景に根ざした異質性が備わっています。その異質性を強調すれば,世界には大きく分けて,イギリス・アメリカを中心とする「英米モデル」と,ドイツ・フランスに代表される「大陸ヨーロッパモデル」という,会計の2大潮流が存在するといわれています。
会計情報の発信源である企業の活動に加えて,情報の受信者である利害関係者層(株主・投資家等)もまたグローバル化しています。そのような中で,世界各国で異なる会計ルールの存在は,会計関係者間のコミュニケーションの阻害要因となります。そこで求められるのが“世界各国共通の会計ルール(国際標準)”の確立です。つまり,各国で異なる会計情報を標準化できるよう,国際ルールを策定しようというもので,こうした試みが国際会計分野の最大のテーマといえます。その場合,現在,世界で注目されているのがIFRS(国際財務報告基準)という国際的な基準で, 200社を超える日本の企業が適用を開始しています。私は現在, IFRS導入の先行的事例である欧州連合(EU),とくにドイツ連邦共和国におけるIFRS対応について研究を進めているところです。

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