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髙橋 広行

担当科目
 消費者行動論、マーケティング・リサーチ

研究テーマ:デジタル時代の消費者理解とブランド・マーケティング研究

 消費者が、市場にある多くのブランドを「どのように認知し、理解しているのか」「どのように消費者と接点を作ることがブランディングにおいて最適なのか」「どのような訴求が魅力的なのか」などの点を把握し、ブランドを購買してもらうためのマーケティング戦略につなぐことを目的に研究しています。
 最近は、デジタル時代の消費者行動全般にも興味があります。多くの消費者はスマート・フォンに代表されるデジタル・デバイスを消費にも購買にも活用するようになり,消費者の行動が大きく変化しつつあります。例えば、スマート・フォンを活用したQRコード決済サービスは買い物の仕方にどのような影響を与えるのか、どのように浸透していくのか、などです。他にも、サブスクリプションやシェアリング・サービスなどの登場によって,モノを買わなくても、一定期間、手頃な価格で契約すれば、気軽に使える時代に変化しつつあります。こういった新しいサービスがどのような価値を持ち,どのような消費者に受け入れられ、浸透していくのかという点にも興味があります。なお、この研究は、髙橋広行・CCCマーケティング総合研究所編著『持たない時代のマーケティング:サブスクとシェアリング・サービス』(同文舘出版)として、2022年5月に刊行しました。
 このようにデジタルな時代に応じて消費や購買行動だけでなく、「ブランドに求められる価値」も変化しています。これまでブランドとは、購入の対象として買い続けてもらい、愛着を持って使い続けてもらうことや所有することのステータスに意味がありました。しかし,デジタルな時代においては、モノを所有したいというよりも、必要なときに必要な量だけ、必要に応じて、すぐにブランドにアクセスできる関係でありたいという「リキッド消費」の考え方が増えつつあります。特に,Z世代などの若い世代を中心にこういった考え方が浸透しつつあります。このように時代に応じてブランドの価値も、消費者の生活の中で共感されるような存在として、つながり続けることが求められます。こういったブランドと消費者との購買を超えたゆるやかな関わり方は「エンゲージメント」と呼ばれ,アカデミック(研究面)と実務の現場の両方で関心が高まっています。特に私は、企業の経営戦略室やデジタル・マーケティング担当者の方々と協力しながら、アプリの行動履歴データと心理的な測定尺度とを統合していくことで、デジタルな時代に応じた消費やブランドのあり方を模索しています。
 共同研究では「ブランドの本物感(本物らしさ:ほんまもん)」がどのように形成されるのか、その背景にある「こだわり」という概念の存在感など、これらの構成要素や尺度開発について検証を重ねています。
 このように、「消費者の視点でブランドを理解し、それを企業のマーケティング戦略につなげる」という点を貫き、実務の現場に役立つ研究を日々続けています。

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