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谷本 啓

担当科目
 経営管理論、労務管理論

研究テーマ:サービス産業における人材活用の構造

 経済の高度化に伴い、第三次産業、いわゆる用益という無形の商品を提供するサービス業が雇用において大きな位置を占めるようになりました。一説では、現在の日本経済の約7割はサービス業が占めるといいます。
サービス産業は大変幅広い分野にわたります。そこでは機械や情報技術がどんなに発達しても、接客において重要な役割を果たすのは生身の人間である従業員です。顧客の幅広い要望に応えることは人間の柔軟性の方が優位にあるといえます。しかし同時に、ちょっとした顧客への対応のミスが企業イメージを損なうことにもなります。例えばホテル業においてよくいわれる言葉に、「100マイナス1は99ではない、ゼロである」という言葉があります。これはどんなに客室の居心地が良くても、レストランの料理が美味しくても、ほんのささいな不満足、とりわけ従業員のちょっとした言葉や態度が、そのホテルの印象そのものを台無しにしまうことを意味しています。
しかし現実には、「最も給料が低い従業員こそ最も大切な仕事をしている」という言葉が象徴するように、最前線で接客するパートやアルバイト、派遣社員といった非正規雇用の従業員が企業の印象を決める仕事を担うことが少なくありません。しかも必ずしも接客に必要な指導や訓練を十分に受けているとも限りません。お客様に満足して頂き、リピーターとして繰り返し来店して頂くためには、従業員に気持ちよく、お客様に喜んで頂ける行動を取ることができる環境や仕組みをいかに構築するかが重要になります。あわせてマニュアルにはない状況に直面したときどう対応するか、自社の提供するサービスの理念の明確化や判断基準(行動基準)を浸透させ、仕事の裁量権を与えることも重要となっています。
以上のようなことは言われてみれば当たり前のことです。しかし、この「あたりまえ」の事をきちんと、徹底してできるかどうか、そのための人材活用の構造をいかに構築するかを研究の対象としています。

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